伸び(ひずみ)の評価法

材料の柔らかさや伸びやすさを調べるため、引張試験を行うことがあります。
同じ材料で長さが異なる試験片を試験する場合を考えてみましょう。

【例題】

下図のような断面積が同じ二本の丸棒について引張試験を行いました。引張荷重が200 Nのとき、どちらの丸棒の変位は10 mmでした。

より大きく伸びたのはどちらの丸棒でしょうか?

【考え方】

比較するのは、試験片の初期の長さに対する変位量です。

【解答】

それぞれの丸棒の変位に対し試験前の長さ(初期長さ)で割り、伸びた比を求めます。
試験片の長さに対する伸びた割合は丸棒3の方が大きくなりました。

より大きく伸びたのは丸棒3となります。

【重要】

試験片の長さに対する伸びた比をひずみと呼びます。
慣例で、ひずみをギリシャ文字のε(イプシロン)を使って表します。

ひずみは比率を示す値です。
そのため単位はありません
このような値を無次元数と呼びます。

また試験結果を応力とひずみで表すことで、試験片の形状や長さに影響されず試験結果が容易に比較できるようになります。