Post date: Feb 17, 2018 10:59:51 AM
1. はじめに
技術顧問契約の更新を機に、韓国と日本の企業の違いを聞かれることが多くなりました。
日本国内での営業体験と比較しながら、雑感をまとめてみました。
2. 商談相手を見る日本企業の視点
設備設計の相談などで日本企業の担当者の方々と商談をしますと、自分たちの製品や課題に対する解決実績が要求されます。具体的には、当社が商談先の企業に向けて行ってきた原理証明の実績や、商談先企業の同業他社での成功事例や体験が要求されます。
商談の最初に当社の事業内容や問題解決のプロセスについて説明しますが、あまりプロセスについては興味を持っていただけません。また、海外市場の動向などについも、知識を自慢しているように受け止められ、印象が悪くなります。
商談先の日本企業が求めるものは問題解決能力ではなく、オーダーした料理を調理できる一流のシェフであり、オーダーするお客様だけに気を留めることを要求します。
3. 商談相手を見る海外企業の視点
海外企業の場合、問題解決能力が要求されます。
自分の場合、韓国企業との商談時には、シミュレーション(強度計算)に関する知識と経験を使い、鉄道車両、高層ビル、船舶附帯設備、自動車部品と、様々な業界、製品の課題を解決してきたことを紹介しました。
また、日本市場だけではなく、海外市場の動向なども交えて注目している点についても共感を持っていただき、成約につながりました。
4. 視点の違いは?
海外の担当者から見ると、
シミュレーションによる問題解決能力が高い企業ですね。
と、判断されます。
日本の担当者から見ると、
いろいろと難しい分野の仕事をなさってきたことは理解しますが、当社と似たような製品に関わっていないので、経験がないですよね?
となり、商談は終了します。
いろいろな料理を体裁よく調理できる。
しかし求めている料理の一流シェフではない。
そんな判断になるようです。
5. どちらが良い、悪いではないけれど…
どちらが良い、悪いではないですが、この辺の視点の違いが、海外の技術者が日本に
入り難い部分名のかもしれません。同時に、日本の技術者が海外で活躍できない原因の1つのようにも感じます。
結局、ある製品に特化して隅々まで分かります。
と、説明してみても、別の製品をテーマとして出されたとき答えられず、問題解決能力の高さのアピールにはなりません。
それだけしか出来ない。
という印象を与えるだけになります。
特化した専門性も必要ですが、応用力や多様性も求められます。
結局、バランスなのだと思いますが、その線を引く位置の違いなのでしょう。
個人で、あるいは、海外の企業と渡り歩くとき、
この辺の違いは認識しておいた方がよいのかもしれません。
6. 最後に
写真は勤務地周辺の出勤風景です。このような高層ビルに中小企業の本社が入居しています。創業したばかりの企業もあれば、創業後、数年、経過した企業も入居しています。
そして、このような高層ビルが乱立しております。
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