Post date: Apr 3, 2018 1:54:44 PM
1. はじめに
当社は有限要素法による強度シミュレーションを請負っています。
そのため、『機械設計』とは別に『強度設計』という言葉も使います。
同じ『設計』とは言っても、内容は大きく異なります。
一般の方に分かり易く説明しようと思います。
2. 強度設計とは
フレーム鋼材(H形鋼、I形鋼、アングル材など)を使って作業台を設計しています。
下図の矢印について、以下のように定義します。
緑色の矢印(↓) に荷重が負荷されます。
赤色の矢印(↦)部分の変位を拘束します。
『強度設計』とは、荷重が負荷される緑色の矢印位置から赤色の矢印位置まで、とのような大きさと向きの荷重をどのように伝えるかを考えて形状にしていく作業を『強度設計』と言います。
そして、荷重を伝える経路の事を荷重伝達経路と言います。
下図は、一次元要素を使って構築したモデルです。
ただ、線を描いてつなげただけの形状モデルのように見えます。
これが荷重伝達経路となります。
しかし、以下に示されるようなウィンドウで、荷重伝達経路の断面形状と材料特性が設定されています。
断面形状の大きさや形状、そして仕様する材料により荷重経路を伝達する荷重の大きさが変わります。
なお、具体的な数値については、お見せすることはできません。
断面形状の設定ウィンドウ
材料特性の設定ウィンドウ
このモデルに対し、断面の形状を変化させ、強度的な満足するかどうかを検討していきます。
まず負荷する荷重を求めるために、機械力学が必要になります。
また、計算により得られる応力値より降伏状態や破壊などを判断したり、曲げに対する剛性を理論的に高めるために材料力学の知識も必要となります。
3. まとめ
このような検討は、概念設計や基本設計の時に行われます。
基本設計出強度・剛性に関する基本的な要件を満足し、そこから詳細設計に設計のステージが移ります。
最近では、三次元CADで作成されたモデルを利用したシミュレーションが盛んに行われております。その時点では詳細設計に移行しており、なかなかシミュレーション主導による設計が出来ません。
構想段階の概念設計時や基本設計のステージで積極的に行う設計です。
なお、静岡産業技術専門学校で、この辺の内容を{整理し、まとめて『力学』として授業を行っております。興味がありましたら、お問い合わせフォームより、お問合せ下さい。