お客様から設計を依頼された場合、ほとんどの依頼内容は漠然としていることが多いです。
具体的には、以下のような言葉になります。
こんな形の製品を作りたい。
この商品を1日、3000個以上、生産できるような設備を作ってほしい。
重量は1.2ton以下、総重量8tonのマイクロバスが移動できる設備を設計してほしい。
教科書の問題のような詳細説明はありません。
具体的な大きさを示す詳細な数字もありません。
設計要件(仕様)の作成から機械設計が始まります。
したがって、授業では力学的な計算方法と得られた結果の強度判定について説明します。
1). お客様(ユーザー)が求めるものを明らかにする
使用する環境や状況の確認 (寒冷地や赤道地帯、湿度の高さ、屋外、屋内など)
使用する期間 (機能を保障する期間)
想定する荷重(負荷) (設備の使われ方、使用方法)
予算 (用意している設計費および製作費用)
2). メーカーとして注意を払うことを明らかにする
製作方法 (使用できる加工法、製作できる大きさなど)
調達する資材 (入手できる鋼材の種類)
納品前のテスト方法 (動作テストなどによる設計要件の確認テスト)
納品方法 (搬送方法や納品荷姿など)
上記1), 2) から設計要件をまとめ、設計内容の詳細を決めていきます。
設計要件の詳細のうち設備の強度に関する項目が授業で検討する内容です。