部品の内力(応力)を評価する場合について例題を使い説明します。
【例題】
図に示される長さが同じ二本の丸棒について引張試験を行いました。最大の引張荷重は、それぞれ以下のような結果となりました。
大きな引張荷重に耐えられるのはどちらの丸棒でしょうか ?
【考え方】
この例題では、試験片に対して引張荷重は外力になります。
比較するのは、外力によって試験片内部に生じている内力です。
断面積の違いによって変化する内力について考えてみましょう。
【解答】
丸棒1, 2に対し、単位面積当たりに作用する内力をそれぞれ計算します。
図に示されるような結果が得られると思います。
単位面積当たりに生じる内力は丸棒1が15 (N/mm**2)、丸棒2が20 (N/mm**2)となりました。この結果から単位面積当たりに生じている内力は丸棒2の方が大きいと判ります。したがって大きな引張荷重に耐えられるのは丸棒2となります。
【ポイント】
応力 ― 単位面積当たりに作用する内力のことです。
ギリシャ文字のσ(シグマ) ― 応力の値を象徴する記号です。習慣として使っています。
応力の単位 ― Pa(パスカル)を使います。記号の表し方として最初の“p”は大文字です。
設計では長さを (mm) で表すので、1.00 (MPa) で応力を表すことが一般的です。
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