材料試験の概要

主な材料試験

材料試験には以下のような試験があります。強度計算でよく利用される試験は引張試験なので、引張試験の事例を紹介します。

  • 引張試験
    材料の引張特性を測定する試験

  • 硬さ試験
    材料の硬さを測定する試験で部品の変形しにくさや摩耗のしやすさの指標にされることが多い。

  • 曲げ試験
    材料の曲げ特性を測定する試験で樹脂材料など曲げて使うような材料が対象となる。

  • ねじり試験
    材料のねじり剛性を測定する試験

  • 衝撃試験
    材料におもりを衝突させ脆性(もろさ)を測定する試験

  • 疲労試験
    一定の荷重で押したり引いたりすることを材料に対して繰返し行い、材料を疲労(硬化)させ破断した時の繰返し回数を測定する試験

  • クリープ試験
    高温状態で引張方向に外力を作用させたとき、時間に対する材料の伸び量を測定する試験

引張(圧縮)試験について

軽荷重用の引張圧縮試験機と金属と樹脂、それぞれの試験片について示します。

併せて引張試験と圧縮試験の事例を示します。

1). 引張試験の事例

非鉄金属で延性材を引っ張った試験結果です。

負荷された最大荷重は3.12 (kN)で、その時の伸びは15.6 (mm)でした。

弾性領域において明確な線形性は確認できませんでしたが、降伏点が不明慮という結果でもありませんでした。

延性材については、事前検討として数値だけでなく材料の引張試験を通じて特性を把握しておいた方がよいと考えさせられた試験結果です。


2). 圧縮試験の事例

圧縮試験の結果は圧縮時における座屈変化の違いを評価したものです。試験対象品は樹脂成型品で、電線のコネクターカバーになります。

この試験結果は製品の品質評価に利用されました。

JIS規格

金属材料の特性を知ることを目的とした場合、
JIS規格(JIS Z 2241:2011)『金属材料引張試験方法』で試験方法と試験片(一部抜粋)の形状が定められています。

この規格は,金属材料の引張試験方法及び室温(10 ∼ 35 ℃)で測定できる金属材料の機械的性質について規定した規格です。

規格詳細の購入については、日本規格協会(JSA)にお問合せください。

部品の強度試験

部品単体の強度を測る場合、設計仕様に応じた試験を行っていただければよいと思います。

次のページ部品の内力を評価する方法について説明します。