三次元データの作り方

2016/08/20 22:33 に Teruhiko Hinaji が投稿   [ 2016/08/22 7:21 に更新しました ]
1. はじめに

新入社員の教育用に作成した内容です。
内容の一部に手を加え、三次元CADを導入した事業者への社員教育にも活用しました。

ソフトウエア導入後の教育セミナーは事例を交え、そのソフトウェアの操作方法や機能説明になります。

そのため自分で考えた形状を三次元CADで作図すると、うまく作成できずストレスが高くなる傾向にあります。
その結果、個人スキルの育成不良をソフトウェアへの批判にすり替えていることも多く見られます。

その点を踏まえつつ、以前、三次元CADプログラムの開発とコーディングをしていた経験から、データ作成のコツを紹介します。


2. 三次元CADの特徴

三次元形状をデータ化する場合、以下の二つの方式があります。
この違いを知ると、少しストレスが抑えられます。
また、ここでは機械系CADに多く使われているCSG方式を前提に説明します。

1) CSG (Constructive Solid Geometry) 方式

CSG方式は、球や直方体などプリミティブと呼ばれる基本形状を足したり引くなどする方式です。
プリミティブ形状の足し引きの繰り返しで目的の形状を作成します。
この方式は機械や建築などの設計CADで用いられており、機械加工のような除去加工をイメージするとデータが作りやすくなります。

開発当初は形状を加えたり除去する操作に対して、『論理和』、『論理積』、『論理差』と呼んでいました。
メニュー上でも『和』、『結合』、『差』などと表記されておりました。
しかし、現場の感覚に用語が馴染まないことから、徐々に変化し現在に至っております。

CSGのデータ構成図 (Android) を以下に示します。



2) B-Reps (Boundary Representation) 方式

B-Reps方式は、三次元形状を頂点,エッジ(直線/曲線),面(平面/曲面)の幾何情報とそれらの接続情報で表現する方式です。
この方式はCSGでは扱いが困難な自由曲面などを扱うCADに多く採用されています。




3. 三次元CADのファイル構成

機械設計図面は、完成図を元に各ユニットの組立図、組立図を分解した部品図と体系的に構成されています。
三次元CADデータのファイル構成も、機械設計図面の構成に倣っています。
具体的には、下図に示されるような構成になります。

部品図は各部品の三次元形状が保存されます。
一方、組立図は、これらの部品図の関係情報が保存されています。
したがって、むやみに部品図データのみの移動や組立図のみを他のフォルダーへ移動させると関係情報が消失してしもうこともあるので、注意が必要です。


4. 部品形状の作成

部品形状は、円柱や直方体のような基本的な形状の組合せで.作成します。

また、データ作成の基本はスケッチャーに描いた形状に対し以下の操作をすることです。
この操作が形状を加える操作か、除去する操作なのかを使い分けるだけです。
  1. スケッチャーの形状を延ばす
  2. スケッチャーの形状を回転する
スケッチャーは、これから作ろうとする基本形状の投影面を意味します。
このスケッチャーには、形状の投影図を書くようにします。


5. 部品データの作成事例

下図の図面にある形状を三次元CADで作図することにします。



この形状の場合、側面形状をスケッチャーで作成し、その形状を延ばせばできる形状です。
そこで、以下のようにスケッチャーに側面形状を作成します。



スケッチャーの投影図を延ばす操作を行います。
下図のような形状が作成されます。



回転させる場合には、スケッチャーに回転させる断面と軸を指定することで作成することができます。


6. 最後に

いきなり三次元CADで形状データを作成するのは難しいものです。
三次元CADの使いはじめの頃は簡単な手書きのスケッチを作成し、そのスケッチを作成するようにしてください。
そうすることで、三次元CADの操作にも慣れ、効率のよい形状データの作成手順も考えられるようになります。
頑張ってみてください。

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