MakerBot®製 3Dプリンター用 代替フィラメント・ホルダー(ボビン取付台)製作

2017/05/27 1:25 に Teruhiko Hinaji が投稿   [ 2017/05/27 19:16 に更新しました ]
1. はじめに

MakerBot純正フィラメントの標準価格は、ボビン1巻(約900 g)で10,000~13,800円(税別)ぐらいです。

当店では図面の形状確認に3Dプリンターを利用しております。
そのため設計コスト削減の観点から、純正品と代替可能で廉価なフィラメントに強い関心を持ってしまいます。実際に販売されている純正品の代替フィラメントは、ボビン1巻(約1 kg)で6,500円(税別)ぐらいになります。

グラム単価で言えば、純正品1グラム約15円の材料費が代替フィラメントに変えると約6円50銭になり、50%以上のコスト削減になります。そのためコスト削減効果を目的に代替フィラメントを購入してみました。

納品されたフィラメントを見るとボビンの形が異なり、プリンターに取り付けられないことが分かりました。そこで、代替フィラメントを取り付けるホルダー(ボビン取付台)を製作しました。


2. 代替フィラメント・ホルダー(ボビン取付台)の設計


『どのような材料を使い代替フィラメント・ホルダー(ボビン取付台)を製作するか?』

最初に考えたことは、材料の選択でした。
『共通の悩みを持つユーザーなら、図面を公開すれば自分の責任で自作するだろう。』と考えたからです。

そのため基本は量販店で容易に入手できる材料を考えました。
木材、コンパネ(べニア板)、水道用の塩ビパイプなど、いろいろ材料が考えられます。

使用する材料を想定しながら加工や組立方法、必要な道具などを試案することを繰り返し、量産組立工場などで使われている矢崎化工(株)イレクターを使うことにしました。どの量販店でも取扱いがありますし、インターネット上にある複数の通販サイトから入手も可能です。

次にボビンの実寸法から以下のような取付台を考えました。
設計の狙いとしては、造形時のフィラメント供給が円滑に行われることです。

一方、インターネット上に公開されている写真などを拝見するとベアリングなどが使用されているものがあります。しかし、量販店で入手可能なベアリングは限られています。そのため、フィラメントの取付けはシンプルな構造にしました。

各パーツの寸法については、ボビンが床面と擦らないことを条件に脚の長さを決めました。
その他のパーツについては、フィラメント供給時に干渉しないような寸法にしました。

こんな条件から三次元CAD上で試行錯誤し下図のようなホルダー(ボビン取付台)に設計をまとめました。


設計した代替フィラメント・ホルダー(ボビン取付台)


3. 代替フィラメント・ホルダー(ボビン取付台)の製作

製作過程については、定尺で販売されているパイプを購入し、部品の切り出しから始まります。
450mmの定尺パイプ2本用意し、下図のように部品を切り出します。


イレクターパイプ(Φ28) 切断加工図

パイプの切り出しが完了したら、以下の製作図のように部品を仮組みし、接着する状態を確認します。固定に使用する接着剤は樹脂部分を溶かすため、固着後の剥離が出来ません。

《重要》
接着する前に、必ず仮組みし、その状態で接着剤を塗布するか、接着の段取りを見極めてから接着作業を行ってください。


代替フィラメント・ホルダー(ボビン取付台)の組立図



4. 完成した代替フィラメント・ホルダー(ボビン取付台)

完成した代替フィラメント・ホルダー(ボビン取付台)の様子を以下に示します。
以下の写真のような状態で、造形出来ることを確認しました。
ただし、供給時にエクストルーダの位置によってはフィラメントの供給が円滑に出来ない部分もありました。
現在は、プリンターに取り付けられているフッ素系チューブを介してエクストルーダーに供給するようにしています。


完成した代替フィラメント・ホルダー(ボビン取付台)



5. 3Dプリンターによる造形で知って欲しい材旅費のこと

この記事を書いている時点(2017年5月27日)の豚肉こまぎれ(国産)が100グラム約110円です。
またステンレス鋼材 SUS304 (18-8) 2mm の場合、100グラム約32円です。 
一方、純正品のフィラメントだと100グラム約1,500円、代替フィラメントでも約650円となり、意外に材料費は高額であることが分かります。

三次元CADのデータから容易に形状が造形できるので注目度も高かったのですか、やはり原価の一部となる材料費が高いです。
そのため、コスト削減手法としては認知されなくなりました。

フィラメントの販売価格が安くなることを希望しますが、フィラメントの価格が話題になることは少なく、低価格化については期待できません。
むしろ造形品を利用した、多様な製品製作手法の開発が必要だと思います。



6. さいごに

今回は、部品加工図と組立図を公開いたしました。

なお、部品加工や製作組立時におけるケガなどについては、必要に応じて防護具などを付けて作業を行ってください。
また、公開した情報の利用については、ご自身の責任と判断でご利用下さい。利用した結果について、当社として責任は負えません。



7. お問合せについて

個々の部品図が必要な場合、お問合せのページからご連絡いただければと思います。

また、以下のようなご要望にもお応えいたします。
こちらも、お問合せのページからご連絡下さい。

お問合せ内容を確認後、見積書と販売条件の説明書をお送りさせていただきます。
ご納得頂いた上で、代金支払いをもって注文とさせていただきます。


『部品を切り出す道具がないので、カットした部品が欲しい。』
『完成したホルダー(ボビン取付台)が欲しい。』
『組立図の寸法だと、購入したボビンが使えないので、改造してほしい。ついでに製作もお願いしたい。』


なお、代替フィラメントについて、当店では扱っておりません。
ご了承願います。

Comments